相続放棄を子供がした場合、孫は相続できますか?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

相続

弁護士の回答

弁護士相続放棄の場合、孫は相続を受けることはできません。

相続放棄とは

相続放棄とは、相続財産の一切を放棄することができる制度です。

相続人は、法律上、相続開始の時から、被相続人に属した一切の権利義務を承継します(民法896条)。

しかし、相続人によっては、被相続人から相続を受けることを潔しとしない人もいます。

そこで、民法は、相続するか否かについて、相続人に選択の自由を認めています。

すなわち、民法は、相続人に一定の期間(熟慮期間)を区切り、

  • 相続財産を負債を含めて全面的に承継するのか(単純承認)
  • 財産の承継を全面的に拒否するのか(相続放棄)
  • 相続した資産の範囲内でのみ債務などの責任を負うのか(限定承認)

いずれかを選択できるようにしています。

ご質問の「相続放棄」とは、相続人が相続開始による包括承継の効果を全面的に拒否する意思表示です(民法938条)。

相続放棄の手続は、相続人が自己のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所にその申述を行います。

相続放棄の条件について、詳しくはこちらのページを御覧ください。

 

 

代襲相続で孫は相続できない?

代襲相続とは、本来相続人になるはずの人が死亡などの理由で相続できないときに、その人の子供(被相続人の孫)が代わりに相続するという制度です。

相続について、この代襲相続という制度をご存知の方は、相続放棄の場合に代襲相続できないか、と疑問に感じる方が多くいらっしゃいます。

しかし、民法は、相続放棄の効力として、その相続に関して、初めから相続人とはならなかったものとみなすと規定しています(939条)。

したがって、理論上、代襲相続が発生する余地はありません。

また、代襲相続ができるのは、法律上、次の3つの場合に限定されています(民法887条2項)。

代襲相続できる場合
  1. ① 相続人が相続の開始以前に死亡している
  2. ② 相続人が欠格事由に該当する
  3. ③ 相続人が廃除によって相続権を失った

相続放棄は、上記に含まれておりません。

したがって、子供が相続放棄をした場合、孫は相続できないこととなります。

以下、わかりやすいように具体例で説明いたします。

 

具体例

被相続人Xさんに、子Aと子Bがおり、Aには子Cがいる場合

Xが死亡し、AとBがXを相続したが、Aは、家庭裁判所で相続放棄をしたとします。

この場合、Xの孫であるCがXの遺産を相続できるかを例とします。

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相続放棄をすると、その相続に関しては最初から相続人にならなかったものと扱われます。

したがって、代襲相続原因となりません。

放棄者であるAに直系卑属であるCがいても、CはAを代襲することはできません。

したがって、上記の例では、相続人はBのみとなります。

 

まとめ弁護士以上、子供が相続放棄をした場合の孫への影響について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか?相続放棄をすると、孫も相続できなくなるため、相続放棄は慎重に判断する必要があります。

まずは、遺産の内容と借金の額を正確に把握し、相続放棄すべきか否かを見極めるべきです。

しかし、相続放棄は期限の制限があるため、もたもたしていると相続放棄できなくなるおそれがあります。

特に、遺産の内容が複雑な場合、素人の方が相続放棄を単独で判断するのは難しいと思われます。

そのため、可能であれば専門家にご相談の上、進めていかれることをお勧めいたします。

当事務所の相続対策チームは、相続問題に注力する弁護士・税理士のみで構成される専門チームであり、相続放棄に関するノウハウを共有しています。

相続放棄でお悩みの方は、当事務所までお気軽にご相談されてください。

なお、ご自宅の近くに専門の弁護士がいない方に対して、当事務所ではLINEなどを活用したオンラインによる相談を実施しています。

ご相談の流れはこちらのページを御覧ください。

 

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執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 相続の相談件数年間285件(2019年実績)を誇るデイライト法

律事務所の代表弁護士。家事事件に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおい

て家事事件での取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を

執筆。


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