先順位の相続人が相続放棄したか確認する手段はありますか?

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

相続放棄

相続放棄したか確認する方法について質問です

先日、私の兄が亡くなりました。

兄はギャンブルが好きで借金を繰り返したため、ここ数年疎遠になっており、亡くなったのを知ったのも、亡くなってから5か月が経過してからでした。

兄は多額の借金を抱えたまま亡くなりました。

兄には子がいません。また、両親は健在ですが、相続放棄の手続を済ませたと言っています。

相続放棄は、被相続人が亡くなってから3か月しかできないと聞きました。

私は、兄が亡くなったことを、1か月前に聞きました。しかし、兄が亡くなってから既に5か月が経過しています。

このような場合、私は相続放棄の手続ができなくなってしまうのでしょうか。

また、私は、両親が相続放棄をした場合の、いわゆる二次相続をする立場なのだと思いますが、両親が相続放棄をしたかどうか確認する手段はありますか。

 

 

弁護士の回答

後順位者が相続放棄をできる期間は、最も早くても先順位者の相続放棄が家庭裁判所に受理されたときですので、被相続人の死亡後3か月ではありません。

正確には先順位者が相続放棄した事実を知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることが可能です。

また、先順位者が相続放棄したか否かを確認するには、先順位相続人との交流がない場合でも、家庭裁判所へ照会をかけるという方法を用いることができます。

 

相続の承認または放棄をすべき期間

相続放棄は、被相続人が「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内にしなければならないとされています。

まず、あなた自身が相続人となったのは、原則としてあなたの両親の相続放棄の申述が裁判所に受理されてからですので、そもそも「自己のために相続の開始があった」ときから、3か月が経過していない可能性があります。

また、質問者のように、被相続人が亡くなったことを知ってから1か月しか経っていない場合、自己のために相続の開始があったことを「知った」時からまだ3か月が経っていませんので、いずれにしても相続放棄の手続ができる可能性が高いです。

相続放棄の手続を行う際は、あなたがどうしてここ1か月で兄の死や両親の相続放棄の事実を知ることになったのかを、裁判所に説明するとよいでしょう。

 

 

先順位相続人が相続放棄したかどうかを確認する手段

先順位相続人との間で交流があれば、その先順位相続人に相続放棄したかどうかの問い合わせるのが最も手っ取り早い方法になります。

相談もっとも、様々な事情により、先順位相続人との間で連絡を取ることが不可能・困難な場合があります。

その場合には、家庭裁判所へ照会を行うことで、あなたより先順位の相続人(今回で言うと、あなたのご両親)が相続放棄をしたかどうかを確認することが可能です。

家庭裁判所ごとに必要な資料は異なりますが、基本的には、以下が必要になります。

照会に必要な資料
  1. 被相続人の住民票の除票
  2. 被相続人と照会者の関係性がわかる戸籍謄本
  3. 照会者の住民票
  4. 相続関係図

上記資料を添付の上、照会申請書を家庭裁判所へ提出すると、家庭裁判所から回答書が届き、先順位者が相続放棄をしたかどうかについて知ることができます。

 

 

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執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 相続の相談件数年間285件(2019年実績)を誇るデイライト法

律事務所の代表弁護士。家事事件に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおい

て家事事件での取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を

執筆。


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