寄与分の計算方法について教えてください。


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


解説する男性のイメージイラスト寄与分が認められる寄与行為には、いくつかの類型がありますので、その類型ごとに計算方法をご説明いたします。

そもそも寄与分とは、相続財産について相続人による寄与行為があった場合に、法定相続分とは別に、相続財産から一定の割合又は金額を相続財産から控除し、受け取ることができる制度のことを言います。

この寄与行為は、次の類型に分けることができます。

①被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付

家業従事型

農業のイメージイラスト「被相続人の事業に関する労務の提供」に関する寄与行為は、家業従事型と呼ばれています。
この行為が特別の寄与と言えるためには、原則として無償で家業に従事することが必要と考えられています。少なくとも標準的な報酬や給与を受け取っていた場合には、これを理由に寄与分は認められません。

家業従事型は、さらに従業員タイプ経営者タイプに分けられます。

従業員タイプでの寄与分の算定方法は、
相続開始時に寄与相続人が通常得るであろう年間給付額 ×(1-生活控除割合)× 寄与年数 - 現実に得た給付額
となります。

・これに対し、経営者タイプの寄与分の算定方法は、
寄与相続人の通常得るであろう年間報酬額 + 利益配分額 - 現実に得た給付
となります。

 

出資型

お金のイメージイラスト「被相続人の事業に関する・・・財産上の給付」は、出資型の寄与行為と呼ばれています。
これもさらに出資の類型が財産取得のための資金援助か、単なる金銭提供か、不動産などの提供か、など類型ごとに寄与分の算定方法が異なります。

 

②被相続人の療養看護

介護のイメージイラスト療養看護型については、職業看護人を雇いその費用を負担した場合にはその実費が寄与分として算定されます。
職業看護人を雇わず相続人が自ら行った場合には、看護人を雇えばどのくらいの費用が掛かったかが基準となりますので、付添人の日当額×療養監護日数×裁量的割合により算定されます。

 

③扶養型

家計のイメージイラスト相続人が被相続人を生活費全般の面倒を見たために、被相続人が費用の支出を免れ、相続財産の維持に寄与した場合、扶養型の寄与分が認められます。

扶養型の寄与分の算定方法は
負担扶養料 × 寄与期間 ×(1-扶養義務のある寄与相続人の法定相続分割合)
となります。

弁護士竹下龍之介画像ここに挙げられていない行為であっても、寄与行為に該当する可能性があります。

このように、寄与分の算定方法は、寄与行為ごとに細かく分けられ、とても複雑です。

寄与分とはどのようなものなのか、どれほど認められるのか、など寄与分に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

ポイントなお、相続法の改正によって、これまで相続人にしか認められていなかった寄与分について、親族も認められるようになりました(特別寄与制度)。

寄与分の要件・請求方法等について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

 

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