遺言を裁判で争うポイントとは?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

遺言書

弁護士の回答

筆跡鑑定のほか、その他の事情を主張立証していく必要があります。

 

遺言の裁判とは?

被相続人(亡くなった方のこと)が亡くなった後、遺言書が見つかることがあります。

遺言書の記載が特定の相続人のみを手厚く優遇する内容の場合、それ他の相続人としては遺言書が偽造されていると疑念を抱くことがあります。

このようなケースにおいて、遺言書が偽造されているとしてその効力を争う場合、裁判所に「遺言の無効確認の訴え」を提起することとなります。

ここでは、遺言無効確認訴訟のポイントについて、解説します。

 

筆跡鑑定は誰が提出する?

まず、自筆証書遺言の無効確認を求める訴訟における遺言の効力の主張・立証責任は、遺言が有効であると主張する側にあります。

すなわち、訴訟が提起された場合には被告側が主張・立証責任を負うわけです。

そうすると、被告側は筆跡鑑定を出して遺言の有効性を立証していきます。

これに対して、原告側も別の筆跡鑑定を出して、立証を阻止していくことになります。

その結果、双方から異なる結果の筆跡鑑定が提出されます。このようなことは実務上よくあることです。

 

筆跡鑑定だけで照明は十分?

筆跡のイメージ画像筆跡鑑定が一方に有利なものであったとしても、

筆跡の異同判定の対象資料となる日記や手紙、メモなどでも、それぞれ遺言者が書き方を変えていたり、略字を使用したりするなど、使用文字を変動させている場合もみられます。

また、対象資料が作成されてから遺言書が作成されるまでに年月が経過している場合においては、

加齢に伴い、筆圧など文字の書き方に変化が生じていることも往々にしてあります。

したがって、対象資料のなかから、どの文字を選択するかによって、筆跡の異同判定の結論に差が出ることがありえるため、

筆跡鑑定の結論には疑問が生じる場合もあります。

すなわち、筆跡鑑定のみではその証明力に限界があるといえるでしょう。

 

 

 

遺言をめぐる裁判のポイント

弁護士裁判実務では、遺言の効力について結論を出すにあたっては、筆跡以外の当該事案における事情を総合的に考慮しています。

すなわち、当該遺言書の作成経過、遺言者と相続人らとの生活状態(利害関係や関係の良し悪しを含む)、遺言者の作成時における精神や身体の状況、その後の遺言者の行動などが重要な判断要素となるものと考えられます。

 

筆跡鑑定の証明力に限界はあるが、筆跡鑑定をすることは必要不可欠

六法全書と弁護士バッジもちろん、筆跡鑑定の証明力に限界があるとはいえ、まずは筆跡鑑定をすることは必要不可欠でしょう。

そのあとで、筆跡鑑定を補完するような事情を主張・立証せねばなりません。

遺言無効確認の訴えが提起する場合・提起された場合、上記のような事情を念頭に置きつつ、ポイントを絞り効果的な攻撃防御をしなければなりませんが、

法律の知識がなければなかなかそのように効果的な攻撃防御をすることが難しいのが現実です。

したがって、遺言無効確認の訴えを提起する場合あるいは提起された場合には、まずは弁護士に相談するのがよいでしょう。

 

まとめ弁護士以上のように、遺言の有効性について争う場合、筆跡鑑定を提出することになる可能性が高いといえます。

また、筆跡鑑定の証明力についても争点となることが予想されるため、その他の間接事実を効果的に主張立証する必要があります。

これらを適切なサポートは、遺言の効力に精通した専門家でなければ難しいと考えられます。

そのため、遺言について疑問がある場合、まずは相続専門の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

当事務所の相続対策チームは、相続問題に注力する弁護士が所属しており、親身になって解決方法をご提案いたします。

 

当事務所のご相談の流れについてはこちらのページをご覧ください。

 

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執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 相続の相談件数年間285件(2019年実績)を誇るデイライト法

律事務所の代表弁護士。家事事件に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおい

て家事事件での取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を

執筆。


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