遺言書で生命保険の受取人を変更できる?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

遺言書

弁護士の回答

遺言書で生命保険の受取人を変更可能できます。

 

遺言書とは

遺言書とは、被相続人(亡くなった方のこと)が生前に最後の想いを伝える書面をいいます。

遺言は満15歳に達した人であれば、原則として誰でも作成することが可能です。

また、遺言に何を書くかは遺言者の自由ですが、法的な効果が発生する行為は限定されており、例えば、「兄弟の仲を良くする」というような道義的な遺言は、遺言に記載されていたとしても、法律上の効果はありません。

遺言書について、詳しくはこちらページをご覧ください。

 

 

生命保険の受取人の変更

従来、生命保険の受取人を遺言によって変更することができるかどうかについては、商法に遺言事項として規定されていないことから(商法675条)、争いがありました。

その中で、遺言による生命保険受取人の変更を有効と認めたものもありました(東京高判平成10.3.25)。

その後、平成22年4月1日から施行された新保険法44条1項、73条1項により、遺言で生命保険などの受取人を変更できるものと定められ、上記の問題について立法的な解決がなされました。

もっとも、保険金の受取人の変更は、保険契約者の相続人や、遺言執行者が保険会社に通知しなければ保険会社に対抗できないものとされています(保険法44条2項、73条2項)。

 

 

受取人変更の流れ

具体的な手続きとしては、以下のとおりです。

ステップ① 保険契約の内容を確認

遺言者が死亡したのち、遺言書の検認を経た上で、その遺言書の内容として生命保険の受取人の変更が記載されていた場合には、まず相続人や遺言執行者が保険会社に対して、保険契約及びその内容を保険会社に確認します。

ステップ② 保険約款の確認

保険証券が所在する場所の確認や保険約款を確認します。

ステップ③ 受取人変更を通知

その後、保険会社に対して受取人変更のための書類の交付を求めたうえで、受取人の変更を通知します。

なお、被保険者が第三者である場合には、受取人の変更のためには被保険者の同意が必要とされています(保険法45条)。

したがって、上記の保険会社への通知の前に、被保険者から同意をとっておかなければならないことに注意です。

また、平成22年3月31日以前に締結された保険契約について保険法は適用されないことにも注意しなければなりません。

以上は生命保険の受取人の変更が遺言によってもできるということをお話ししてきましたが、他には一般財団法人を遺言で設立することができるなど(一般財団法人法152条2項)、意外な事項も遺言の内容とすることができます。

その他、遺言の対象とすることができる事項についてはこちらのページをご覧ください。

 

 

遺言書の注意点

遺言書においては、一般的に次の点について注意が必要です。

種類を適切に選択する

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

その遺言書を作成すべきかは、遺言者の方が何を重視されるか、その他の状況で変わってきます。

具体的な状況に応じて、適切な方式を選択するよう注意されてください。

 

形式の不備に注意

遺言書は、一定の要件を満たした書き方を行わなければ「無効」となってしまいます。

 

たとえば、遺言の中に、自筆証書遺言という種類がありますが、これは自分の手ですべての内容(遺産目録を除く)を書くこと、日付があること、及び署名押印が要件となっています。

これらの要件を満たさない場合には、遺言書は無効となってしまうので、争われることの多い遺言の形式です。

 

記載内容の有効性に注意

遺言書は、被相続人の方の想いを記載しますが、記載内容によっては法律上の効果が発生しません。

せっかく、遺言書を作成しても、法律上認められない場合、記載する意味がないかもしれません。

法律上の効果がなくても、「相続人に想いを伝える」ために記載するという選択肢はあります。

しかし、遺言者の方が自らの想いの法的効果を作成段階で知っておくと、相続発生後のトラブルを防止できることもあります。

そのため、法的効果の有無等について、把握しておく必要があります。

 

まとめ弁護士

遺言書は、意外な事項が遺言書に記載できることがあります。

他方で、記載内容によっては法的効果が認められない場合もあります。

これらについて、素人の方が自分で判断するのは難しいと思われます。

みなさんが遺言に入れたい事項がある場合には、一度その内容を紙などにまとめた上で、弁護士に見せにいかれることをお勧めいたします。

デイライト法律事務所では、遺言書作成に精通した弁護士がその内容をチェックし、相談者の方の意向を実現できるようアドバイスさせていただきます。

デイライト法律事務所では、遺言書作成に精通した弁護士がその内容をチェックし、相談者の方の意向を実現できるようアドバイスさせていただきます。

なお、ご自宅の近くに専門の弁護士がいない方に対して、当事務所ではLINEなどを活用したオンラインによる相談を実施しています。

ご相談の流れはこちらのページを御覧ください。

 

 

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執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 相続の相談件数年間285件(2019年実績)を誇るデイライト法

律事務所の代表弁護士。家事事件に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおい

て家事事件での取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を

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