遺産分割のベストな時期とは【弁護士が解説】

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弁護士の回答

相続開始後であれば法律上の期限はありませんが、できるだけ早い方が望ましいと考えます。

 

遺産分割とは

遺産分割とは、被相続人(亡くなった方)が死亡時に有していた遺産について、個々の遺産の権利者を確定させるための手続をいいます。

遺産分割が進まないと、いつまでも遺産の権利義務が不確定なままとなってしまいます。

また、誰か特定の方が遺産を管理している場合、使い込みのおそれもあるでしょう。

例えば、預貯金を現金化して費消するなどの問題が懸念されます。

さらに、相続税の申告の対象となる場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内の提出が必要となるので、申告手続きへの影響も予想されます。

したがって、遺産分割はできるだけ早期に解決すべき問題と言えます。

なお、遺産分割について、詳しくはこちらのページで解説しています。

 

 

法律上の時期について

法定相続人が複数いる場合、共同相続人は、遺言で禁じられた場合※を除き、相続開始後いつでも共同相続人間の協議で遺産の分割をすることが可能です(民法907条)。

※遺言で禁じられた場合:遺産分割については、遺言によって5年を超えない範囲で分割を禁止することが可能です。

遺産分割の禁止についてはこちらのページをご覧ください。

 

もっとも、有効な協議分割となるためには、分割内容について共同相続人全員が同意することが必要となります。

したがって、遺産分割の現実的な時期としては、相続開始後、分割内容について共同相続人全員の同意ができたときということになります。

共同相続人間の話合いがまとまらない場合

遺産分割内容について、共同相続人間の話合いがまとまらないことがあります。

相続問題を契機に、これまでの家族間の不満が爆発するケースも多く、このような場合は感情と感情がぶつかり合って話し合いになりません。

感情的な対立で遺産分割が進まない場合について、詳しくはこちらのページで解説しています。

 

相続人の1人が行方不明になっていて遺産分割が進まない場合

また、相続人の1人が行方不明になっている場合にも遺産分割が進まないということがあります。

行方不明者がいる場合の遺産分割について、詳しくはこちらのページで解説しています。

 

このようなことを考えると、遺産分割については、できるだけ早い段階で、協議を開始したほうがよいといえるでしょう。

 

 

遺産分割が難航しているときの対処法

遺産分割の動きが遅い場合の対処法についてご紹介します。

専門家に間に入ってもらう

弁護士当事者同士の話し合いの場合、感情と感情のぶつけ合いになり、冷静な話し合いができないことがあります。

そのような場合は、相続専門の弁護士に間に入ってもらうという方法があります。

弁護士が介入することで、当事者は直接話をせずに済み、大きなストレスから解放されます。

専門家の話を取り入れながら冷静に話し合うことが可能になり、迅速な解決が期待できるでしょう。

相続問題に精通した弁護士が間に入るメリット

相続問題に精通した弁護士であれば、遺産の調査が可能です。

例えば、遺産を管理している相手が開示してくれない場合、弁護士名で開示請求を行うことが考えられます。

さらに、評価について問題となりやすい、不動産や非上場会社の株式についても、相続専門の弁護士であれば評価が可能でしょう。

このように、専門家に依頼されることは大きなメリットになると考えられます。

 

裁判所の手続きを利用する

共同相続人間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、家庭裁判所に、遺産分割調停の申立てを行うことが出来ます。

また、遺産分割については、調停の申立てのみならず、審判の申立てを行うことも可能ですが、遺産分割は当事者間の協議による解決が望ましいと考えられているため、遺産分割の審判の申立てをしても審判の開始前に職権により調停に付されることがほとんどです。

そこで、特別の事情がない限り、当事者だけの話合いがまとまらなければ遺産分割調停の申立てをします。

調停手続について

調停手続きにおいては、相続人の範囲、遺産の範囲などの前提問題をまず確定し、その後遺産の評価、特別受益・寄与分の主張を踏まえた具体的分割方法について合意の形成をはかっていきます。

調停不成立となった場合

そして、調停の場においても共同相続人間で合意が成立する見込みがない場合、または成立した合意が相当でない場合、調停不成立ということになり、当然に審判手続に移行することになります。

家裁の手続きのデメリット

家庭裁判所の手続で懸念されるのは解決まで長年月を要する可能性があるということです。

家庭裁判所は公的な機関であり、こちらの望むペースでは期日を開いてくれません。

ケース・バイ・ケースではありますが、筆者の感覚としては概ね1から2ヶ月に1回程度期日が入り、終了するまで1年を超えることがたくさんあります。

また、裁判所まで毎回行くとなると、精神的にも負担になるかと思われます。

そのため、まずは専門家に交渉してもらい、それでもまとまらなければ家裁の手続きに移行する、という方法を試されても良いかと思われます。

 

まとめ弁護士以上、遺産分割の時期について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか?

遺産分割は、法律上は、相続開始後であれば無期限と言えます。

しかし、遺産の権利が不確定な状態が続くため、できるだけ早い段階で、スタートされたほうがよいでしょう。

また、遺産分割の協議が進まない場合は、専門家に間に入ってもらうことなどを検討すると良いでしょう。

いずれにせよ、なるべく早い段階で、専門家にご相談されることをおすすめします。

当事務所の相続対策チームは、相続問題に注力する弁護士・税理士のみで構成される専門チームであり、遺産分割について強力にサポートしています。

遺産分割でお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談されてください。

なお、ご自宅の近くに専門の弁護士がいない方に対して、当事務所ではLINEなどを活用したオンラインによる相談を実施しています。

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